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2019年3月

2019年3月 8日 (金)

教育研カフェ「象徴天皇制は教育でどう扱われているか?」報告

 カフェには40人近い参加者があり、報告の項目ごとにすべての問題で活発に質問、意見が出され熱心な討論が最後まで続きました。この問題で聞きたい、話したいとたくさんの方が集まってこられました。たいへん深刻な問題であるのに、話会う機会が減っているだけでなく、身近な人々とさえ話しにくくなっている現状を反映していたのではないでしょうか。

 まず司会者から「今年は、天皇制・代替わりのため、2月の在位30年式典に始まり、新元号の発表、退位の儀式、即位の儀式等々11月の大嘗祭と続き、市民や子ども・学校にも『天皇敬愛』と『愛国主義』が年間通じて押し付けられる。すでに224日に『各府省、各公署、学校、会社、その他一般に“国旗”掲揚を要望する閣議決定』がおろされている。今の象徴天皇制の果たす役割、問題点を再考し、これからの取り組みにそなえていくことがとりわけ重要です。」と問題提起がありました。

次に事務局から「敗戦後、天皇制存続に動いていった過程、天皇の戦争責任問題について、『日本国憲法』に書かれたように天皇の地位は根本的に変わり『主権は国民に存する(前文)』『天皇は日本国の象徴(第1条)』に過ぎないこと。『天皇は、この憲法が定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない(第4条)』こと。第7条に規定されている『国事行為』の中に、“災害地への慰問”“植樹祭等への参加”“相撲などの観覧”などは書かれていないので、これ自体は“憲法違反”であること。が、戦後歴代内閣は積極的に天皇に『政治的発言』を、各種行事への参加を、「宗教に係る行為」をもさせてきたのである。」と報告されました。

本題「教育でのあつかい」の報告骨子は以下のようなものでした。

「 教育現場で天皇・天皇制を子どもに意識させる・刷り込む要素について。

 『学習指導要領』において- 2006年『教育基本法』の全面改悪をふまえ、2008年指導要領改訂で『~~伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛し~』の文言が入れられ、2017年改定ではそれを徹底させた。2017年『要領』・『小学校社会6学年の内容』では『憲法の三大基本原則』と『天皇の地位」を並列に並べている。天皇への『敬愛』という言葉も出された。

 『教科書』において- 小・中学校の教科書記述の問題は、天皇の役割に関し、『国事行為』のみでなく、いわゆる『公的行為』『象徴としての行為』を無批判に記述している。『東日本大震災被災地を訪問する天皇』の写真を多くの会社の教科書が掲載している。『憲法第7条』の『国事行為』の規定の説明を入れている教科書は皆無。 中学校社会科右派教科書では、天皇を『権威』『祭祀』の主『祭主』とまで記述している。高校教科書では天皇の地位と役割について、単純な説明があるだけである。

 今後高校の教科書への記述を増やすこと、小中学校教科書記述を一層

天皇制の容認に導くことを、謀ってくるであろう。警戒とたたかいが必要となる。 」

 

2019年3月 2日 (土)

文部科学省の「放射線副読本」批判を紹介します

 文部科学省が小学生用と中学生用の「放射線副読本」を更に改悪し、昨年の秋以降全国の学校に直接送りつけています。その内容批判を「子どもたちに未来を渡したい・大阪の会」がリーフレット(A4表・裏)にまとめました。以下に内容を紹介します。

 文科省の「放射線読本」批判(pdf版)

「子どもたちに未来を渡したい・大阪の会ニュース」2019年2月12日

「放射線副読本」批判特集

■文科省が、昨秋全国の学校に直接送り、今児童生徒への配布・活用を指示している
「放射線副読本(改訂版 昨年10月)」(小学生版と中高生版の2種類)は、
  ・福島原発事故による放射能被害はなく、周辺地域が安全であるかのように教える
  ・「避難者や避難した子どもへのいじめを無くす」どころか、いじめを助長しかねない
  ・政府の「避難指示解除・住宅支援等の打ち切り」と原発再稼働政策を進めるためのもの
 この「副読本」が子どもたち・保護者に配布されることに、反対の声をあげてください! 

■ 問題1 「副読本」は、原発事故による健康被害の現実を無視しています

「 副読本」には「福島県が平成30 年4月までに県民等に対して実施した内部被ばくによる放射線の量を測定する検査の結果によれば、検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかったとされています。〈中高生版・小学生版P12〉」と書かれています。「検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかった」という主張には根拠がありません。事故前、子ども100万人に1~2人といわれた甲状腺がんは、福島県の甲状腺がん調査(事故当時18歳以下)検討委員会(2018年12月27日)の発表で、悪性ないし悪性疑いの判定数が207人(対象者約38万人)になっています。加えて、2017年6月には「福島県立医科大学病院で甲状腺がん摘出手術をしたが、上記の集計漏れが他に11人いた」と発表されました。福島県外でも40人以上の小児甲状腺がん患者が確認されており、福島県外では公的な検査体制がないため、がんが進行してから治療を受ける場合が多く、症状が重篤化しています。また2011年ウクライナ政府報告書には、チェルノブイリ原発事故から25年経て、被ばく者の子どもの健康被害が深刻であることが示されています。そもそも、原発事故後、日本政府は子どもの被ばく線量の測定をしていません。事故2週間後のいわき、川俣、飯舘3市町村の子ども1080人の測定結果だけで、被ばく量が少ないと断言してきたのです。今年1月21日、事故直後双葉町で11歳だった女児の甲状腺は100mSv(国が被ばく影響を認める数値)程度の内部被ばくが推計されると報告されていたのに伏せられていたことが、報道されました。
  事故直後「トモダチ作戦」で福島沖にいた米軍艦兵士の死者は9人になり、400人が被ばくの健康被害を訴えています。福島第一原発作業員は白血病や甲状腺がんなどですでに6人が労災認定されました。「健康に影響が及ぶ数値ではなかった」という説明は虚偽であり、あまりにも無責任です。

■ 問題2 「副読本」は、事故を起こした東電や国の責任から目を背け、消費者矢放射線を不安に思う人々を”風評被害をあおる”と脅して黙らせるものです

 「副読本」には、「実際の被害ばかりでなく『 原子力発電所の事故による影響を受けたにちがいない』という根拠のない思い込みから生ずる風評によっても、農業や漁業、観光業などに大きな被害がありました。また、放射線を受けたことが原因で原子力発電所の周辺に住んでいた人が放射線を出すようになるというような間違った差別、いじめも起こりました。〈中高生版・小学生版P15〉」と書かれています。
  いじめや差別は、政府が被害者の意見を聞かず行った分断政策に原因があります。福島原発事故からこれまで、政府は広範囲に広がった放射性物質の測定もせず、狭い範囲の行政区に限って恣意的な避難指示を出し、大量の自力避難者を生み出してきました。加害者である東電が被害の有無を認定し、原発事故被害者への賠償額を決めてきました。安倍首相は「汚染水はコントロールされている」と大嘘をつき汚染水の海への放出を容認しながら、オリンピックを誘致しました。「権威」ある医師は線量の測定もせず「大丈夫だ、病は気からだ」と被ばくを我慢させてきました。副読本には「遺伝的影響を示す根拠は報告されていません(中高生版・小学生版P10)」と書いてあります。科学の知見である「放射線は遺伝子を傷つける」ことを否定しています。それを教えるのは「風評被害をあおること」にしてしまっています。国や東電が責任を持って被害者救済をせず、被害者の声を聴こうとしないことが、人々を分断し、疑心暗鬼にさせいじめや差別を生むのではないでしょうか。

■ 問題3 「副読本」は、「復興」を強調し、放射線量の高止まりや住民が帰還できない事実を隠しています

 「副読本」では、「その後、セシウム134 やセシウム137 などの放射性物質を取り除く作業(除染)などにより、放射線量が下がってきた地域では、避難指示の解除が進められました。現在では、医療機関や商業施設などの日常生活を送るための環境整備や学校の再開等復興に向けた取組が着実に進められています。〈中高生版・小学生版P14〉」と記述されています。
  「除染」は建物や土壌などの表面の放射性物質をはぎ取り、フレコンバッグに入れて仮置き場に集積するという作業ですが、言い換えると高線量区域での被ばく労働によって、放射性物質を集めて移動する作業を意味します。「除染」は「移染」にすぎません。福島県の7割を占める森林の除染は不可能で、「除染」後も雨風で山から放射性物質が降り続け、放射線量が高止まりしているのが事実です。最近は除染ごみを減らすために、焼却、再利用までされようとしています。福島第一原発のある大熊町・双葉町の広大な土地が除染ごみの「中間」貯蔵施設になりました。国は、2017年3月で避難指示解除のための計画除染を終了し、避難指示解除を進めています。福島の避難指示基準は空間線量が年20mSv以上です。年20mSv以下になれば住宅支援も賠償も打ち切り、帰還を強いています。ところが、国の放射線管理区域(18歳以上の放射線作業従事者が、飲食禁止で働く場所)は避難指示基準より低い年5.2mSv以下と決められています。公衆の被ばく限度は年1mSvです。国は福島第一原発周辺地域だけ、放射線量年20mSv未満で子どもも妊婦も普通に暮らしなさいと避難指示を解除しているのです。避難指示が解除されても、放射線量は高止まり、高線量で近づけない溶融炉心を抱え、廃炉作業もままならない事故炉がそばにあります。事故から8年たった今も「原子力緊急事態宣言」が出されたままです。「副読本」は、「復興」を強調することによって、汚染と危険の続いている現実を隠しています。

■ 問題4 「副読本」は子どもが放射線から身を守るために重要な知識である内部被ばくの危険性を説明していません

 「副読本」には「1mSvの外部被ばくと1mSvの内部被ばくの影響の大きさは同等(中高生版P10)」と書いてあります。この表現では内部被ばく(鼻や口から放射性物質を取り込んでしまうこと)の危険性がわかりません。 現在、被曝の主な原因となっている放射性物質は半減期30年の セシウム137です。体内に取り込まれたセシウムは血液に乗って体中を駆け巡り、γ線と共にβ線を出し続けます。β線による内部被曝はγ線による外部被曝に比べてはるかに電離作用が強く、DNAを切断しガン等を引き起こします。甲状腺がんも事故直後に大量に放出された放射性ヨウ素が口や鼻から取り込まれ、甲状腺に吸収されて起こる内部被ばくが主な原因です。放射性ヨウ素も放射性セシウムも、自然界にはなく原発が生み出した人工放射能です。
  「放射線を学ぶ」ことは、子どもたちが将来にわたって、健康に安全な生活を送るために大切なことです。放射線の危険性を知って、放射線の被ばくをできるだけ避けるようにしなければなりません。
  しかし、「副読本」はもともと自然放射線があるのだから、事故で放出された人工放射線を浴びても大したことがないと思わせたり、放射線の性質のうち「透過性」の説明だけで、細胞・遺伝子を傷つける「電離作用」には触れず、放射線は簡単に防げると思わせます。「副読本」で学ぶことにより、放射線は気にする必要がないと無用の放射線を浴びることにもなりかねません。
  最優先にすべきは、被害者の声を伝え、福島原発事故の深刻さを伝えることです。そして、事故によってまき散らされた放射性物質から身を守るための方法を、子どもたちと共に考えるような放射線教育です。

■ 「副読本」から”福島原発事故の事実を放出放射線量の事実”さえ削除し、より危険なパンフレット「放射線のホント」を昨年度復興庁が作成し、全国の公的機関に配布しています。これにも注視し反対しましょう
 

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